
このたび、東日本大震災の被災地の復興に向けたFIDRの取り組みと貢献が評価され、渡辺博道復興大臣より感謝状が贈呈されました。
7月25日(木)に行われた贈呈式には、FIDR三木晴雄副理事長が出席、渡辺大臣より感謝状を授与されました。渡辺大臣からは、FIDRのみならず法人賛助会員企業の被災地支援へのご貢献についても感謝の意が示されました。
なお、今回の贈呈式には、企業・団体・個人の7者が出席しており、様々な立場の方々の多岐にわたる活動を学ばせていただく機会ともなりました。
このような評価をいただきましたのも、FIDRの活動をご支援くださる皆様のご厚意と、被災地域においてFIDRと共に活動を進めてくださった皆様のご尽力によるものと、心より感謝申し上げます。
2011年3月11日に発生した未曽有の震災から8年。
FIDRは、震災直後から岩手県山田町・大槌町を中心に緊急救援・復興支援活動を行ってまいりましたが、岩手県山田町飯岡・長崎地区の集会施設の再建をもって8年間の活動に区切りをつけることとなりました。
2019年3月から4月にかけて、特設ページにて、山田町と大槌町のいまについて、FIDRの活動だけではなく、山田町や大槌町の方々からの生の情報をお届けしました。
(掲載日が新しい順に並んでいます)
4月26日:そして、これから(山田町)
4月24日:復興からその先へ(山田町)
4月19日:東日本大震災から8年(山田町)
4月15日:被災者の方々の現実(山田町)
4月10日:大槌町の漁業のいま(大槌町)
4月 5日:まちの元気は大槌の海から!(大槌町)
4月 1日:山田の海から持続可能な社会を(山田町)
3月27日:ひろがる地域の交流「花輪田地区集会所」のいま(大槌町)
3月22日:町を楽しもう!「大沢川向コミュニティセンター」のいま(山田町)
3月18日:五感で楽しむ体験プログラムで山田町の魅力発信(山田町)
3月 8日:集会施設の再建支援を行っています(山田町)
以下をクリックしてぜひご覧ください。
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3月、岩手県山田町の中心部に住民待望の集会施設「飯岡コミュニティセンター」が完成しました。外観はシックなデザインで、同月運行を開始した三陸鉄道の車窓からも目を引く建物です。
バリアフリー設計で明るく、広いホールや調理室があり、地域にお住いの方々の様々な活動に利用できます。
4 月25 日、佐藤町長、FIDR三木副理事長、江川常務理事をはじめ多くの方々を迎えて、センターの完成式典が行われました。飯岡地区自治会の阿部会長は「子どもから大人まで、みんなが笑顔で集える場所にしたい」と謝辞を述べられました。さっそく式典後の懇親会では、子どもと大人が一緒に笑顔で踊り楽しいひと時を過ごしました。
その後、地域の活動拠点として多くの方が利用しています。「FIDR のおかげで立派な集会所ができ、みんなの集う場がやっと戻ってきた」と喜びの声が聞かれました。
2011年3月11日、津波と大火災で壊滅的な被害を受けた山田町。ようやく住宅や商店の再建が進み始めてきました。8年間にわたり山田町を応援し続けてきたFIDRは、町中心部の復興の象徴となるコミュニティセンターの完成をもって、一連の東日本大震災緊急・復興支援を終了しました。
震災からまもなく8年。岩手県山田町では殺風景だった町の中心エリアにも活気が感じられるようになってきました。
FIDRは町内で最も世帯数が多い飯岡・長崎地区で長く待ち望まれていた集会施設の再建を支援するため、12月20日に山田町と合意を締結しました。
町長や住民の代表の方々からは、山田町に対するFIDRの長年の支援に対して感謝の言葉をいただきました。集会施設は3月下旬にできあがる予定です。
2017年4月9日、大槌町花輪田地区においてFIDRが支援した地区集会所の完成を祝う落成式が執り行われ、大槌町平野町長をはじめ、FIDR岡田事務局長、花輪田地区自治会長他、地域住民約30名が参列しました。
落成式に続いて、新しい集会所内で開催された自治会主催の祝賀会では、集会所建設実現までの道のりについて振り返る場面もありました。
花輪田自治会は、その設立以来22年間、個人の所有する家屋の一角を地域住民が集まる場所と利用してきましたが、2011年3月11日の大震災を経験したことにより、「自分たちの安全を確保するためにはやはり恒久的な公共施設が不可欠」と、役員が中心となって集会所建設に向けて動き出しました。FIDRもその熱意に共感し、住民の方々や大槌町と共に建設の実現のために取り組んできました。
自宅再建のための平地も不足する被災地において集会所の用地を確保するのは決して容易でなかったこともあり、完成までには時間を要しましたが、地区のみなさんは「ようやく実現した」と安堵を覚えたようでした。
FIDRの集会所建設支援が、コミュニティのつながりをさらに深め、安心・安全に暮らせる地域づくりにつながることを期待します。
山田町では震災後、町の住居、病院、防潮堤などの復旧・復興を優先せざるを得ない中、数年間子どもを取り巻く環境の回復が後回しになっています。そのひとつに学校に新しい図書が入って来ないという状況がありました。
町の子どもたちは新たな図書に触れる機会が少ないため「おもしろそうな本を見つけられなかった」と、同じ本を何度も借りてくる子も少なくありませんでした。
そんな子どもたちのために「新しい本を提供して欲しい」と町より依頼があり、FIDRは昨年の7月から9月にかけて、1,000冊を超える本を山田町内全11校(小学校9校、中学校2校)へ寄贈しました。
寄贈にあたり、各学校の図書委員会や担当の先生方に購入する本を選んでいただきました。本の種類は親子で読める絵本や学習のための辞書など様々です。各学校へ贈られた真新しいたくさんの本にはFIDRからの「大きな夢は、一冊の本から」のメッセージの書かれた、かわいらしい虹のステッカーが貼られました。
先生方は「小学校は1年生から6年生までの幅が広いため、今まで本を選ぶことが難しかった。今回、このように学年に合わせて自由に本を選ぶことができて嬉しい。わたしも本選びを楽しみましたよ」と話してくださいました。
復旧、復興の裏で見過ごされがちな、子どもを取り巻く環境の改善が一日も早く進み、FIDRが寄贈した本が、子どもたちにとって大きな夢への架橋となることを願っています。
FIDRは、津波で流出した岩手県山田町大沢川向地区の集会施設「大沢川向コミュニティセンター」建設を支援してきましたが、このほど12月に完成し、12月11日に開所式を行いました。式には山田町佐藤町長、FIDR江川常務理事、地域住民ら約50人が集いました。
震災で失った地域の交流拠点となる集会施設の再建は、大沢川向地区の皆さんの強い要望でした。しかし、被災地での土地の確保は容易ではなかったり、ようやく確保した土地から文化財が発掘され、その調査に時間を要すなど、地区住民の思い通りに進まない時もありましたが、震災から6年近く経つ2016年12月に完成を迎えることとなりました。
「みんなで料理を作って食べたい」「踊りの練習ができる」と、新しい集会施設に足を踏み入れた方々は早速この場所で活動するイメージを膨らませていたり、近くに避難できる場所ができたことに安心されていました。というのも、開所から3週間ほど前には福島県沖で地震が発生し、三陸沿岸各所に津波注意報が発表され、大沢川向地区の人たちは新しい集会所が建てられている高台に避難したばかりでした。
「広げよう 友達の輪、つなごう 伝統の環、愉しもう 山田の和」FIDRが震災後のコミュニティ形成支援活動の中で使ってきたキャッチフレーズです。新しいセンターにおいても、山田町のみなさんが震災後の新しい生活の中で交流を深め、災害など大変な時も、お互いに助け合えるようなつながりができることを期待しています。
FIDRは、大槌町花輪田地区の集会所の建設支援を進めています。
花輪田地区は、今まで民間施設を借用して自治会活動を行っていましたが、震災後は地区内に転入者が急増し、住民の数は震災前の約2倍にもなっています。そのため住民の交流・活動拠点として集会所の設置のニーズが高くなっていました。
昨年の10月末、大槌町役場にて行われた覚書締結式以降、用地取得や土地の造成など建設に向けた準備が着々と進んでおり、8月4日には今年度5回目となる集会施設工事のための花輪田地区自治会と大槌町役場との打ち合わせ会が行われました。
集会施設は標高約9メートルの高台に建設されます。「多目的ホール」と「和室」、「調理室」を設けた木造平屋建てで、設計にあたっては地区住民の皆さんの意見を取り入れました。実際に集会所を利用する方々と何度も話し合いを重ねながら、住民と行政が一緒になって建設を進めています。
集会施設は8月末までに設計完了し、10月には着工、来年3月末には完成する予定です。完成後は地域住民の交流拠点や緊急避難所として使われます。
「やっと集会所の間取りなどが決まり、入札を待つばかりの所までこぎつけることができた。来年3月には完成する。今まで民間施設をご好意で借りてコミュニティー活動をしてきた。新しい施設ではコミュニティー活動の他に避難訓練や防災教育も行い、緊急避難場所としても活用していきたい。みんなで集まる施設が完成するのが楽しみです」
打ち合わせ会に参加されていた三浦自治会長からは完成を心待ちにする声が聴かれました。
例年より早い初夏を感じる6月中旬、岩手県山田町の4ヵ所の放課後児童クラブに、エアコンが設置されました。エアコンは、暑い日も子どもたちが快適に過ごせるようFIDRが寄贈したもので、熱中症の心配もなく遊びや学習に打ち込めるようになりました。
放課後児童クラブの施設職員の方々は、喜びと安堵の表情で話されました。
「これまでは、子どもたちにこまめに水分補給をさせたり、扇風機を常時稼動させるなど、熱中症対策に神経質にならざるをえませんでした。エアコンが設置され、蒸し暑い日にさっそく使いましたが、子どもたちが部屋に入るなり『わぁ〜、きもちいい〜!』と、エアコンの前に集まるんですよ。この夏は宿題に集中できそうですね。」
FIDRは、復興に向け新しい町づくりが進む山田町で子どもたちへのきめ細やかなサポートを行っていきます。
FIDRは、震災の津波で流出した山田町大沢川向地区の集会所の建設支援を進めています。
6月29日、この集会所「(仮称)大沢川向コミュニティセンター」の建設地において、工事の着工に先立ち地鎮祭が行われました。式には佐藤町長、FIDR江川常務理事に加え、大沢地区の住民約20名が出席し、工事の安全を祈願しました。
大沢川向地区は国道やスーパーマーケットに近く、震災前は約150世帯が暮らしていましたが、津波により多くの家屋が浸水したことから、震災後の世帯数は約40世帯に減少しました。しかし復興が進む中で、地区周辺には新築住宅や災害公営住宅(大沢アパート)が建てられ、世帯数は急増しています。
これに伴い集会所の必要性が高まり、山田町からの支援要請を受けたFIDRは、地域の復興において人と人とのつながりが重要と考え、集会所建設を支援することにしました。
2015年2月には建設に係る覚書締結式が行われ、当初は年内に完工予定でしたが、建設予定地に約1300〜1400年前の古代の遺跡が見つかり発掘調査を行っていたため着工がずれ込んでいました。
同センターは、海抜12メートルの高台に建設されます。「集会スペース」と「調理室」を設けた木造平屋建て(建築面積178u、約55坪)で、設計にあたっては地域のみなさんの意見を取り入れました。7月1日に着工し、年内には地域の皆さんが利用できるようになる予定です。完成後はFIDRから山田町に寄贈され、地域住民の交流拠点や緊急避難所として使われます。
地鎮祭の出席者からは「やっと地鎮祭を迎えるところまでこぎつけることができた。早く完成し、ここを中心にコミュニティーの再生を進めていきたい」「みんなで集まる施設が完成するのが楽しみです」と、完成を心待ちにする声が聴かれました。
震災から5年以上経ってもまだ今後の暮らしの目途が立たない人たちが多い中、地鎮祭は、地域のみなさんにとって復興が進んでいる手ごたえを感じる機会になったようです。
なお、地鎮祭後、山田町とFIDRの間で「(仮称)大沢川向コミュニティセンター設計・建設および寄贈に関する事業実施契約書締結式」も行われました。
FIDRは、東日本大震災で失われた山田町大沢地区の集会施設の再建支援を行っています。
遺跡として認定されている建設予定地では、着工に先立ち、工事によって消滅する遺跡の記録保存を目的とする調査が行われていました。
調査完了の目途が立った11月20日、現場で地域住民や工事関係者に対する説明会が行われ、1300〜1400年前の竪穴式住居跡や、出土した遺物から鉄製品を作っていたと推定される工房跡が発見されたことが公開されました。
参加者からは
「こんな高い山の上に材料を運んで作っていたなんてすごいね」
「昔の人は津波が来ないところを選んで住んでいたのかな?」
などの声も出て、町の歴史にふれるひとときとなりました。
3か月に亘ったこの調査はほどなく終了し、その後、集会施設建設に向けて本格的な造成工事が始まります。
10月30日、岩手県大槌町役場にて、「(仮称)花輪田集会所整備事業に関する覚書締結式」が行われました。式には平野大槌町長、FIDR江川常務理事に加え、花輪田地区の自治会役員の方々も出席されました。
大槌町花輪田地区は、国道やショッピングセンターに近く、震災後は転入者が急増しています。地区住民の数は震災前の約2倍にもなっており、住民の交流・活動拠点として、集会所の設置のニーズが高くなっていました。しかし、同地区は津波で浸水した地域であるものの、防災のために住居の集団移転を促進する地域には認定されなかったため、国からの復興交付金が活用できず、集会所建設の財源確保に苦慮していました。そこで、地域の復興において、人と人とのつながりが重要と考えるFIDRは、同地区の集会所整備を支援することにしました。
集会所は木造平屋建てで、2016年秋ごろには地域の皆さんが使用できるようになる予定です。
震災から5年近くがたっても、まだ安心・安全な暮らしの目途が立たない人たちが多い中、今回の集会所整備に関する合意が、地域のみなさんにとって復興が進んでいる手ごたえの一つになることを願います。
東日本大震災により津波で流された山田町の大沢川向地区の集会施設について、FIDRは再建支援を行います。今年2月に山田町役場で覚書締結式が行われて以後、現地では建設に向けた準備が進んでいます。
新しい集会施設は山を削って造成する海抜12メートルほどの高台に建設されます。その一帯は遺跡と認定されていたため、埋蔵文化財の事前調査をしたところ、古代の鉄製馬具が出土しました。その歴史的価値が高いことが判明し、造成前に本格的な発掘調査及び保存調査が行われることになりました。
実はこのような遺跡の発見は、震災後、山田町では珍しいことではありません。災害公営住宅や住宅を再建する際に、これまでに約17カ所で縄文時代〜古代(1300〜1500年前)の住居跡や古代の鉄に関する遺跡が発掘されています。
9月から始まった調査は11月までかかり、それから造成が始まります。その後、集会施設が完成するのは来年の秋頃です。
「完成するまでにはまだ時間がかかるけれど、(調査のために木が伐採されて)、あのあたりに集会施設が建つんだね」と地域の方々は新しい集いの場がイメージしやすくなったようです。
写真提供:山田町教育員会